さて、いよいよ私が最も尊敬する八代目アマカミ、アマテル(天照大御神)の本題に入ります。宜しくお付き合いください。
まず天照大御神に関する主なプロフィールです。
斎名:ワカヒト。幼名:ウヒルギ (大日霊貴:赤子のアマテルが自ら名のったといいます)。
イサナギとイサナミの子でヒルコの弟。ツキヨミ、ソサノヲの兄ですね。
生まれる時、母イサナミの胎内に九十六月宿っていたと記されています。
二十一鈴百二十五枝キシヱ一月一日の夜明けに(初日の出と共に)、ハラミ山麓(二尊がアマテルの神霊を孕んだ山=今の富士山)のハラミの宮(サカオリ宮)で、保籠 (胞衣) に包まれたまま生まれます。
アマテルは生れてから16年間、この富士山南麓のハラミの宮で過ごされます。
十六歳より八十七歳までヒタカミのトヨケ(豊受大神=斎名:タマキネ=五代目タカミムスビ=イサナギの父)の元で教育されます。ただこれには別の箇所で、ヒタカミ滞在は三十年とする記述もあります。
アマテルの背丈は一丈二尺五寸(約2m80cm)あったそうで、これはコヤネ(天児屋根命)と同じだったと言います。
最後は、トヨケと同じ山の祠に入り神上がります(お隠れになられた)。
アマテルカミは根源神『アメノミヲヤ』の左右の眼に当る日(太陽)と月(太陰)の直接の顕現と見なされていました。アメノミオヤにつては、機会があればまた詳しく書きます。
では次に、今までのお話しで、なかなかストーリーが呑み込めない部分があると思いますので、これまでの流れを少しおさらいしたいと思います。
まずオモタル・カシコネの頃からですが、オモタル・カシコネの時代は、姉妹国ヒタカミ(東北地方)の協力も得て、ほぼ日本全土の統一を完成していました。しかしこのアマカミ (中央政府の総帥) には世継ぎの御子が生れることがなく、ミナカヌシ以来続いた皇統はついに断絶します。中央政府を失った日本は、次第に荒廃していくことになります。
タカミムスビのトヨケ (豊受大神) は、この窮状をなんとかするため、暫定的にヒタカミをタカマ (中央政府) とし、本家(皇統)の立場を引き継いで日本全土を総括しました。トヨケは、自分の娘のイサコ (イサナミ) と、根国を治めていたアワナギの子のタカヒト (イサナキ) を結婚させ、その子を以てアマカミとし、真の中央政府を復活しようと図ります。
こうして夫婦となられたイサナキとイサナミは「天地つ日月の君」となり、近江の「オキツボ」(中央部の都=奥壺=奥都)を都とします。「ヤヒロトノ (八尋殿・八紘殿=八方を和して照らす殿・中心の殿)を建て、ここを中心として全国を巡り、退廃した日本に再び「経矛の道 (法と戒の道)」を敷き、臣民を指導し、産業を復興させてゆくわけですね。このフタカミの尽力の甲斐があって、中央部から地方へと法による秩序がしだいに回復していき、産業の復興も軌道に乗り始めました。
この時点で、イサナキ・イサナミのフタカミにはすでに「ワカ姫 (ヒルコ姫)」が生まれていますが、まだ世嗣の御子は生まれていません。オモタル・カシコネの記憶がまだ生々しい時だけに、恐らくフタカミは世嗣の重要性を痛いほどに感じていたと思います。
ミナカヌシに始まるクニトコタチの皇統がオモタル・カシコネで断絶し、その後を受けて天つ君となったフタカミの御立場はさぞ苦しいものだったかと思います。今で言えば「妥協の暫定政権」とでも言うべき立場ですね。ですからフタカミの世嗣にはクニトコタチに匹敵する高貴さが要求されると考えたのでしょう。並の世嗣では世の臣民は納得して服わないと、フタカミを「天地つ日月」に仕立てたトヨケもそのことを痛感していました。
トヨケは「ツキカツラキの斎鳥山」(山形県の鳥海山) に「世嗣社」を建て、二神の世嗣に尊い神が降誕することを願い、8,000回の禊を以て根源神「アメノミヲヤ (陽陰の上祖)」に祈ります。豊受神の別名「大物忌大神」は、トヨケが行った「8,000回の禊」を示す名前のようです。
そして、トヨケの願いは聞き届けられ、根源神アメノミヲヤの左右の眼に相当する日と月 (太陽と太陰) の神霊が、フタカミの御子として降誕することになったのです。
オホセハ 思せば 思案しては
ウラナヒテ ツキカツラキノ 占ひて 尽桂来の
イトリヤマ ヨツキヤシロノ 斎鳥山 嗣社の
イロシテハ アメノミヲヤニ 色垂は アメノミヲヤに
イノラント トヨケミツカラ 祈らんと トヨケ自ら
ミソキシテ ヤチクラチキリ 禊して 八千回契り
ヌキンツル イツチ 抜きんつる (トヨケの)厳霊
カミノリ 神祈り
トホリテソ アメノミヲヤノ 通りてぞ アメノミヲヤの
マナコヨリ モルルヒツキト 眼より 漏るる日月と
アモトカミ ミソフノカミノ 天元神 三十二の神の
マモルユエ コタネナルコト 守る故 子種成ること
オホヱマス 覚えます
イサナキハ アメオシラスル イサナキは 陽陰を領らする
ウツノコオ ウマンオモヒノ 現の子を 生まん思ひの
マスカカミ マテニヒルツキ マス鏡 真手に日・月
ナツラエテ カミナリイテン 擬らえて 神生り出でん (日月の神霊が降誕する)
このようにして、太陽神霊と太陰神霊が人として下生したのが、アマテル神 (陽陰垂る神) 、つまり天照大御神だったのです。九十六月の妊娠期間を経て、胞衣に包まれたまま、一月一日の初日の出現と共に誕生しました。
下の文が天照大御神誕生の記述です。
ハラメトモ トツキニウマス 孕めども 十月に生まず
トシツキオ フレトモヤハリ 年月を 経れどもやはり
ヤメルカト ココロイタメテ 病めるかと 心傷めて
コソムツキ ヤヤソナワリテ 九十六月 やや備わりて
アレマセル アマテルカミソ 生れませる アマテル神ぞ
フソヒスス モモフソヰヱタ 二十一鈴 百二十五枝
トシキシヱ ハツヒホノホノ 年キシヱ 初日ほのぼの
イツルトキ トモニアレマス 出づる時 共に生れます
ミカタチノ マトカノタマコ 御形の 円の保籠
イフカシヤ いぶかしや
アメフタカミノ 上二尊の
ミコナキオ カレタマキネノ 御子なきを 故 タマキネの
カツラキノ ヤマニイノレハ 桂来の 山に祈れば
アメミヲヤ ヒノワノミタマ アメミヲヤ 日輪の神霊
ワケクタシ アマテルカミオ 分け下し アマテル神を
ウミタマフ 生み給ふ
トキフソヒスス 時 二十一鈴
モフソヰヱ ミソヒキシヱノ 百二十五枝 三十一 キシヱの
ハツヒノテ ワカヒトトモニ 初日の出 若日と共に
アレマセハ イミナワカヒト 生れませば 斎名ワカヒト
ウフミヤハ ハラミサカオリ 産宮は ハラミサカオリ
アマテルカミは人間の男子の肉体に宿り生まれますが、いにしえのクニトコタチ同様に陽陰両性を併せ持つとされ、アマテルカミの別名を「イセの神 (妹背の神)」と言う理由はここにあるわけです(イセ=イモヲセ=女性男性、イモセ=妹背=女男=陰陽=地天・・・今の伊勢の語源)。
しかしアマテルの場合は、陽陰の本源核心である太陽・太陰の直接顕現であるという点で別格と言えるでしょう。現に「ハタレの乱」に関して、アマテルを指して、アメノミヲヤと呼んでいる箇所が存在します。
そして、アマテルを包んでいた胞衣を、位山の「一位の笏 (さく)」で切り裂きます。
ヱナノカコミハ 胞衣の囲みは
オノコロノ タマコトナラハ オノコロの 保籠と成らば
ユキヨロシ 往き宜し
タマノイワトオ 尊の結戸を
ヒラケトテ イチヰノハナノ 開らけ とて 一位の放の
サクモチテ イマコソヒラク 笏もちて 今こそ開く
アマノトヤ 天地の戸や
また、イサナキの妹の白山姫は、この赤子の泣く声を解読できたらしく、名を尋ねると「ウヒルキ」とアマテルは答えたといいます。
オハヒメカ コヱネノクニニ 叔母姫が(白山姫) 還根の国に[籠結根]
ミハオリテ タテマツルトキ 御衣織りて 奉る時
ナクミコノ コヱキキトレハ 泣く御子の 声 聞き取れば
アナウレシ コレヨリモロカ 「あな嬉し」 これより諸が
ナオコヒテ オハヨリトエハ 名を乞ひて 叔母より問えば
ウヒルキト ミツカラコタフ 「ウヒルキ」 と 自ら答ふ
ミコノコヱ キキキルトキハ 御子の声 聞き切る時は
オサナナノ ウハオオイナリ 幼名の ”ウ” は ‘大い’なり
ヒハヒノワ ルハヒノチタマ ”ヒ” は陽の環 ”ル” は日の精霊
キハキネソ カレウヒルキノ ”キ” はキネぞ 故 太陽霊貴の
ミコトナリ キネハメヲトノ 尊なり ”キネ” は女男の
ヲノキミソ フタカミオハオ 男の君ぞ 二尊 叔母を
タタヱマス キクキリヒメモ 称えます キクキリ姫も
アナカシコカナ 「あな畏かな」(何と尊い御名でしょう)
ちなみに、この「うひるき (大日霊貴)」は、日本書紀では「大日孁貴」という漢字を当てて「おおひるめのむち」して天照大御神が女神だとする話ににしています。しかし「ひる」とは「日 (陽) のエネルギー」のことであり、これを「日孁」とすると、日 (陽) の属性そのものが陰だという、なんか訳のわからない話になっています。
白山姫は、以前に書きましたイサナギの神が、亡くなったイサナミの元へ行こうとしたときにイサナギの神をお止めした方ですが、天照大御神の産湯をとられた女神でもあります。
そもそも「ユ」というのは「清める」という意味を持っていまして「産湯」というのが重んじられてきました。お宮を建てたりお湯を立てたりするのも、そもそも目に見えない「清らかさ」の「ゆ」の具現化として行われてきたと言います。
さて、白山姫が産湯を奉仕されるそばで「アカヒコ」という神が桑で作った弓を盛んに鳴らしてハタレ(魔)を追い出しました。これは今でも宮中で行われています「鳴弦の儀」の始まりとされています。つまり、この鳴弦の儀は、天照大御神の産湯の時に行われた神事であったわけです。
カカヤキテ シラヤマヒメハ 輝きて シラヤマ姫は
ウフユナス アカヒコクワニ 産湯成す アカヒコ 桑に
ヒクイトオ ナツメカオリテ 引く糸を ナツメが織りて
ウフキヌノ ミハタテマツル 生絹の 御衣奉る
つづく
長い話のお付き合いいただきありがとうございます。
てところで、今日の夕食メニューです。
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